http://shoshi-shigosen.co.jp/books/shigosen5/
雑誌”子午線 Vol.5”掲載の武田崇元氏インタビュー「願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ」、日本会議から葦津珍彦、神社本庁、大本、ユリウス・エヴォラ、陰謀論・・・・・etcを横断する素晴らしい内容だったのだが、そのインタビューのなかで気になったのが出口王仁三郎が昭和10年に復興したという「歌祭り」。いや、というより「歌祭り」に使用された(そして現在も使用されている)古代楽器「弓太鼓」なる存在。
この「弓太鼓」、桶を逆さに伏せた状態にし、その上に弓を固定。その弓の弓づるを梅の小枝で叩くことにより弓づるの音が桶にこもって奥ゆかしい音色が響く・・・・・と崇元氏は説明していたが、え?それって去年EM Recordsからリリースされ話題になった広島県の弓神楽と同じもの???と驚いた。
http://emrecords.shop-pro.jp/?pid=101302301
田中重雄「弓神楽」
超リチュアルな弓神楽の貴重な映像。
残念ながら大本の「弓太鼓」映像はなかったのだが、梅の小枝と細い竹という、叩くものの違いはあれどたぶん同じものではないだろうか?
崇元氏によると出口王仁三郎が「弓太鼓」や「八雲琴」を用いたのは、明治時代の雅楽で演出された国家神道の祭式へのカウンターであり、「古式ゆたかさ」の創出を目指したものであるという。そして明治13年の祭神論争で伊勢神宮派に敗北した出雲派を筆頭とする、国家神道から排除されたモロモロの坩堝が大本であったとも。
広島の「弓神楽」は井永八幡神社でおこなわれているインデペンデントな神楽であるという。そもそも八幡信仰も現在は応神天皇の神霊を祀ったものとされているがナゾが多く、反大和朝廷系説やヤハウェ起源説まであったりするから奥が深すぎる。
「弓太鼓」と「弓神楽」を結ぶ歴史的な線がどんなものなのか、そこにはどんな物語が隠されているのか、妄想が膨らむばかりである。