発明王エジソンをも魅了した「あの世の音」。霊界音源の摩訶不思議な世界を探る。

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    先日トカナの記事【音声アリ】“幽霊の声”が無線通信に入り込む!! 米警察署が公式
    Facebookにガチで公開! http://tocana.jp/2015/08/post_6992.htmlでも紹介された「霊界音源」。

    このように「私たちが存在する次元に、存在するハズがない音声が録音される現象」は、
    ELECTRONIC VOICE PHENOMENA 電子音声現象(以下EVP)と呼ばれており、トーマス・エジソンが1877年蓄音器を発明してから現在にいたるまで、さまざまな事例が報告されている。

    <発明王と霊界音源>
    まずはエジソンからしてその生涯を通して、霊界とのコミュニケーションには並々ならぬ関心を公言しており、晩年にあたる1920年代は霊界通信装置スピリットフォン開発に心血を注いでいたのは知る人ぞ知るエピソードだ。

    「人間も魂もエネルギーであり、宇宙のエネルギーの一部である。エネルギーの総量は不変なので、魂というエネルギーは人間の死後も存在する。そしてそのエネルギーの蓄積が記憶なのだ」というエジソンの言葉からも、彼が死後の魂の存在を確信していたことがうかがえるし、スピリットフォンはエジソンのみならず人類にとっても最大の発明になるはずだった。

    残念ながらそのスピリットフォンは1931年エジソンの死により、未完のまま歴史に埋もれた。しかしエジソンが発明した録音技術の進化にともない、霊界とのコミュニケーションを目指したエジソンの意思は後続の研究者たちに引き継がれていく。

    <EVPの歴史>
    さかのぼれば世界で最も古いEVP採取の記録が1901年、米国民俗学者ヴァルデマール・ボグラスが、シベリアのチョウチク族の儀式を録音中、偶然に霊の声(英語とロシア語で話したという)を収集したのがはじまりとされている。

    その後、1959年スウェーデンの映画プロデューサー、フレデリック・ユルゲンソンが野鳥の声を録音中に偶然EVPを採取し、その研究に目覚める。ユルゲンソンはテープレコーダーやラジオなどの電子機器を使用した「霊界との交信」INSTRUMENTAL TRANSCOMMUNICATION(以下ITC)実験を繰り返し行い、数百ものEVP音源収集に成功。1964年には”宇宙からの声””死者とのラジオ・コンタクト”といった著書も発表し、世界規模にEVPの存在をアピールした。
    https://www.youtube.com/watch?v=JdW7HTVEKtE
    (EVP音源収集について熱く語るユルゲンソン)

    そのユルゲンソンに師事し、1970年代にEVPの存在をさらにポピュラーなものとさせたのがラトビア共和国心理学者コンスタンティン・ラウディヴだ。ラウディヴは師匠ユルゲンソンのITC実験手法に、新たにラジオなどの「ザー」というホワイトノイズをミックスすることでEVP収集効率を格段にアップさせることに成功(ちなみにこの手法はラウディヴが霊界からの助言を受けて完成させたという)。これによりラウディヴは75000以上のEVP音源を収集。1971年英訳発表されたラウディヴ著書“ブレイク・スルー 死者との電子工学的コミュニケーションの驚異的実験”は欧州を中心に当時大ヒットを記録する。
    https://www.youtube.com/watch?v=ifH3lO8X0Y4
    (1971年ラウディヴが発表したレコード作品)

    ラウディヴが確立したITC実験方式、通称ラウディヴ・ヴォイスはその後欧州、アメリカ、ブラジルなどでいくつかの研究機関が設立され、1990年代末にはINITやGAITといったITC実験の世界的ネットワークも立ち上げられた。

    <オカルト・エンターティメントとしてのEVP>
    はたしてEVPは存在するのか否か?その答は現在もグレーなままだ。だが「ある」か「なし」かを論ずるのではなく、近年ではEVPの持つマジカルな音響的魅力に着眼し、EVPを音楽的に味わう動きも活性化してきている。

    まずフレデリック・ユルゲンソンを生んだスウェーデンでは、政府による芸術研究施設FYLKINGEN(現在は民営化)に携わるレーフ・エレグレンやCM・ヴォン・ハウスヴォルフといった前衛アーティストによる活躍が注目される。

    レーフ・エレグレンがコメンタリーを務め、英国EVP研究家レイモンド・キャスなどのEVP音源を集めた2006年オムニバス作品“The Ghost Orchid: An Introduction To EVP”。
    https://itunes.apple.com/jp/album/an-introduction-to-evp/id203345481

    CM・ヴォン・ハウスヴォルフがフレデリック・ユルゲンソンやイルカ博士ジョン・C・リリーなど死者との交信を電子音響アプローチで試みた2006年作品“The Wonderful World of Male Intuition”。
    http://www.amazon.co.jp/Wonderful-World-Male-Intuition/dp/B00HJT7PV2/ref=sr_1_1?s=dmusic&ie=UTF8&qid=1441267323&sr=1-1&keywords=CM+von+Hausswolf

    また、ベルギーの実験音楽レーベルSUB ROSAから2002年リリースされたコンスタンティン・ラウディヴのトリビュート作品“Konstantin Raudive - The Voices Of The Dead”にいたっては、EVPをエレクトロニカやヒップホップの観点から編集した内容で、DJのネタとしても使用可能だ。
    https://itunes.apple.com/jp/album/the-voices-of-the-dead/id323276834

    EVPのみならず、あらゆるオカルト音源をライブラリー化したのが、ベルリンsupposé社から2007年に発表された” Okkulte Stimmen - Mediale Musik: Recordings Of Unseen Intelligences 1905-2007”。フレデリック・ユルゲンソンなどのEVP音源のほか、ラップ音や憑依された人々のしゃべり、霊界音楽、魔術師アレイスター・クロウリーの演説などを40Pのブッツクレット付き3CDボックス作品化したアイテム。そのめくるめく霊界ヒーリング世界は、オカルト・マニアのみならず辺境音楽ファンからも好評を得ている。
    http://www.suppose.de/texte/okkult.html

    <スピリットフォンからゴーストアークへ>
    これまで日本では、岩崎宏美“万華鏡”での「レコーディング中、幽霊の声がまじって録音された!」などに代表される、恐怖をあおるイメージで紹介されていたEVP。しかし、エジソンが語ったようにエネルギー体としての霊魂の存在にコンタクトを取ることははたして恐ろしいだけのことだろうか?

    奇しくも時代はエジソンのスピリッフォンから、一般発売を噂される新型幽霊探知機“ゴーストアーク”http://tocana.jp/2015/02/post_5814_entry.htmlへと、EVP収集もカジュアル化が進行。エジソンが目指した「科学の力で霊魂の存在を証明する」試みは現在も継承されている。

    見えないものを見ようとし、聴けないものを聴こうとする人間の根源的欲望に対し、これからもEVPは語りかけ続けるであろう。なにせエジソンが語ったように「われわれは何事に関しても百万分の一%すら解っていない」のだから。

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