いよいよ今週金曜日4/24、大久保ブエナにて開催される「あなたの聴かない世界vol.4 ニューエイジの彼岸へ」。配布予定資料。
「ニューエイジとは何ぞや?」「日本ではどうだったの?」といったザックリした歴史の流れをまとめてみました。
当日はこの資料の話を前提に(いや、この流れ違うだろ?的な意見あれば当日話合いますが)、前半は谷崎テトラさんが辿ったポスト・インダストリアル、サイケデリック・サブカルチャー、ニューエイジ、ワールドシフトなどの話を伺い、そして後半はテトラさん、永田さん、持田で「ニューエイジ・ミュージックとは?」のお題で、音源をかけながら話合う予定です。
みなさま、よろしくお願いします。
↓↓↓↓↓
●カウンターカルチャーとしてのニューエイジ史
「1970年代からアメリカ西海岸を中心に発生したニューエイジ運動の起源」
1960年代同地域で盛り上がりを見せたサイケデリック運動、ヒッピー運動などのカウンターカルチャーからの発展。また、マズローらによる人間性回復運動(ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメント)などの心理学をもとに誕生。
「ニューエイジ運動の思想とその背景」
思想背景としてはヨハネ黙示録20章4節から7節にある千年思想の影響が強く、1000年続いた神と悪魔の戦いが20世紀末に終結し、ニューエイジ(新しい時代)が到来することに由来。当時のニューエイジャーたちはこの話を西洋占星術的にとらえ、キリストに始まる二千年期であった「うお座の時代」が終焉し、「みずがめ座の時代」の到来と解釈(当時大ヒットしたミュージカル"ヘアー"劇中のフィフス・ディメンションによる"アクエリアス"は象徴的)。
これにより既存の西洋物質文明やキリスト教支配の時代も同時に終焉したのだから「もはや古くて約立たなくなった宗教的教義や道徳なんか捨て去り、新しい真理を皆で追及しようじゃないか!」という流れに発展。
「ニューエイジ運動の特徴」
「一元論」「汎神論」「自己聖化」「自己実現」などがあげられ、海野弘氏の著書"世紀末シンドローム ニューエイジの光と闇"でもヒーリング、セラピー、全体、生命、エステ、ダイエット、オルタナティヴ、地球、グリーン、エコロジーなどがニューエイジ運動のキーワードとして掲げられている。
「1980年代以降のニューエイジ運動」
素粒子物理学者フリッチョ・カプラ「タオ自然学」などに代表されるニューサイエンスやニューパラダイム、ディープエコロジーといった、神秘主義と科学のミクスチャー運動に発展。
これらのニューエイジ運動は1987年におこった「ハーモニック・コンバージェンス」を頂点として先鋭的要素はピークをむかえた。
「ハーモニック・コンバージェンス」
マヤ歴研究者ホゼ・アグエイアスによって提唱されたムーブメント。1519年スペイン人コルテスによって滅ぼされたマヤ文明の、468年続くといわれた「九つの地獄」を終了させるため、1987年8月16日と17日に世界の聖地に14万4000人以上の人々の動員をホゼが呼びかける。結果、当日はマヤのピラミッドや米国のシャスタ山、エジプトのピラミッドなどに世界から目標人員以上のニューエイジャーが集結!この成功により世界は救済され、ホゼにより2012年12月の地球のアセンション(次元上昇)が宣言された。
「ニューエイジ運動の大衆化、通俗化」
「ハーモニックコンバージェンス」を境として多くのニューエイジ運動は、カウンター色を薄めまくった領域に徐々にシフト。資本主義社会にマーケットを拡大。体制へのカウンター(対抗)よりも調和を重視するように。
米国のテレビではシャーリー・マクレーンの著作をドラマ化した"アウト・オブ・ア・リム"が87年に放映され、お茶の間レベルに浸透。
その後現在に至るまでロハス、ヨガ、ホリスティック、癒し、セラピーから、引き寄せの法則、エンジェル、インナー・チャイルド、チャネリング、ホ・オポノポノなどなど、キーワードをあげるとキリがないほどに「ゆるふわな感じ」でニューエイジは大衆文化に溶け込む。
「ビジネス界への影響」
パタゴニア→ラディカルな環境運動を展開(ディープエコロジー)
スティーヴ・ジョブズ→曹洞宗の乙川弘文(おおがわこうぶん)氏を「心の師」と呼び禅を学ぶ。バママハンサ・ヨガナンダ著"あるヨギの自叙伝"を愛読(東洋思想へ傾倒)
井深大(ソニー創業者)→ソニー社内に超能力研究部門設立(ニューパラダイム思想)
「ワールドシフト」
1:平和で持続可能な社会をつくるために必要な変革
2:人類文明の発展のあり方を根本的に変えること
3:「世界が変わる」ことでなく「自分が変わる」こと
世界賢人会議ブタペストクラブ創設者・会長、アーヴィン・ラズロ博士により宣言
「ワールドシフトとニューエイジ」
物理学や哲学、医学、心理学などの旧来の科学主義や還元的唯物論に疑問を投げかけ、全体論を説いた「ニューサイエンス/ニューパラダイム運動」。地球が生ける有機体であるというガイヤ論をもとに、ハードコアな環境保護運動を展開した「ディープ・エコロジー運動」。そもそもニューエイジ運動自体が「現在の社会システムの不完全さを問題視し」、「新しいライフスタイルを提案」、そして「その新しいライフスタイルは皆がいつでも実現可能であるという啓蒙」する性質だったことを考えても、ワールドシフト運動はニューエイジ運動の新たなステージのひとつと言えるのではないか?
●日本のニューエイジ史
「1970年代の時代背景」
高度経済成長のかげり、公害問題の表面化、73年オイルショック、連合赤軍事件、東西冷戦の緊張感・・・・・etc終末観が漂い、経済的豊かさから精神的な「何か」へのシフト
「オカルトブーム」
石油ショックのおきた73年はオカルト当たり年
「ウィリアム・フリードキン監督の"エクソシスト"公開(日本公開は74年)」
「コリン・ウィルソン著"オカルト"新潮社より出版、日本だけで20万部の大ヒットに」
「五島勉"ノストラダムスの大予言"出版」
「小松左京"日本沈没"出版」
「ユリ・ゲラー来日」
「日本テレビ"木曜スペシャル"スタート、後にユリ・ゲラーやネッシー、オリバー君、UFOブームを続々連発」
「日本テレビ"お昼のワイドショー"番組内で"怪奇特集!!あなたの知らない世界"がスタート」
「新々宗教ブーム」
70年代以降に台頭してきた新興宗教のブームで、幸福の科学や統一教会、阿含宗、GLA、崇教真光などが挙げられる。
特徴としては信者としてのターゲット層が都市部の核家族第二世代であり、既存の日常的家族関係や人間関係への「なんか違う感」を巧みについた勧誘。組織によっては過激な出家主義もあいまって社会問題にも発展。
「ニューエイジではなく、精神世界として」
このような歴史的背景もあってか、日本のニューエイジ文化は独自の屈折性をもって、精神世界というジャンル名にて70年代後半あたりから広まっていった印象。
「精神世界の誕生と発展」
精神世界という呼び名は宗教学者の島薗進氏が「学術用語としてニューエイジという言葉を用いるのは不適切である」という理由で考案(新霊性運動という呼びかたも候補に)。
それが実際に世間で用いられたのが77年ごろ。
「平河出版創刊"ザ・メディテーション"の販促にともない、紀伊国屋書店で精神世界コーナーが作られた」「たま出版創業者である瓜谷侑広氏が広めた」と諸説あり。
70年代後半から大きめの書店ではこの精神世界がコーナーとして展開されるようになる。
コーナーには瞑想 やヨガ、チャネリング、神秘体験からニューサイエンス、心理学、密教、はたまたUFOから心霊体験まで…まさにオカルトと新々宗教を経緯した日本ならではの展開。
これら精神世界を70年代後半当時に牽引していたのは津村喬氏や武田崇元氏などといった人々で、良くも悪くも60年代新左翼運動からの影響が色こい印象。
79年には「ムー」が創刊、以降も「トワイライトゾーン」「マヤ」などオカルト雑誌が続々リリースされ、80年代に突入しても精神世界、オカルト、新々宗教の勢いは継続。
「精神世界からスピリチュアル・ブームへ」
90年代初頭のバブル崩壊により精神世界、オカルト、新々宗教の勢いは一気に衰退。そして95年オウム真理教の一連の事件で壊滅的打撃を受ける。
しかし江原啓之氏の成功により精神世界はスピリチュアルというジャンルに転生。
2005年からTVで人気を博した「 オーラの泉」に代表されるように、「不思議大好き!でも宗教は大嫌い」な一般層を大勢取り込み、見事大衆文化に浸透。
2002年から毎年開催されている「スピリチャル・コンベンション」(通称すぴこん)は、既存の宗教団体の財政を脅かすほどの一大マーケットにまで発展(現在はスピリチュアル
マーケットと呼ばれている)。
あなたの聴かない世界vol.4
"ニューエイジの彼岸へ"
日時:2015年4月24日(金)open19:00 start19:30
1500円+1drink
会場:大久保バー・ブエナ...
http://buena.tokyo/access
出演:谷崎テトラ、永田希、持田保
「ニューエイジとは何ぞや?」「日本ではどうだったの?」といったザックリした歴史の流れをまとめてみました。
当日はこの資料の話を前提に(いや、この流れ違うだろ?的な意見あれば当日話合いますが)、前半は谷崎テトラさんが辿ったポスト・インダストリアル、サイケデリック・サブカルチャー、ニューエイジ、ワールドシフトなどの話を伺い、そして後半はテトラさん、永田さん、持田で「ニューエイジ・ミュージックとは?」のお題で、音源をかけながら話合う予定です。
みなさま、よろしくお願いします。
↓↓↓↓↓
●カウンターカルチャーとしてのニューエイジ史
「1970年代からアメリカ西海岸を中心に発生したニューエイジ運動の起源」
1960年代同地域で盛り上がりを見せたサイケデリック運動、ヒッピー運動などのカウンターカルチャーからの発展。また、マズローらによる人間性回復運動(ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメント)などの心理学をもとに誕生。
「ニューエイジ運動の思想とその背景」
思想背景としてはヨハネ黙示録20章4節から7節にある千年思想の影響が強く、1000年続いた神と悪魔の戦いが20世紀末に終結し、ニューエイジ(新しい時代)が到来することに由来。当時のニューエイジャーたちはこの話を西洋占星術的にとらえ、キリストに始まる二千年期であった「うお座の時代」が終焉し、「みずがめ座の時代」の到来と解釈(当時大ヒットしたミュージカル"ヘアー"劇中のフィフス・ディメンションによる"アクエリアス"は象徴的)。
これにより既存の西洋物質文明やキリスト教支配の時代も同時に終焉したのだから「もはや古くて約立たなくなった宗教的教義や道徳なんか捨て去り、新しい真理を皆で追及しようじゃないか!」という流れに発展。
「ニューエイジ運動の特徴」
「一元論」「汎神論」「自己聖化」「自己実現」などがあげられ、海野弘氏の著書"世紀末シンドローム ニューエイジの光と闇"でもヒーリング、セラピー、全体、生命、エステ、ダイエット、オルタナティヴ、地球、グリーン、エコロジーなどがニューエイジ運動のキーワードとして掲げられている。
「1980年代以降のニューエイジ運動」
素粒子物理学者フリッチョ・カプラ「タオ自然学」などに代表されるニューサイエンスやニューパラダイム、ディープエコロジーといった、神秘主義と科学のミクスチャー運動に発展。
これらのニューエイジ運動は1987年におこった「ハーモニック・コンバージェンス」を頂点として先鋭的要素はピークをむかえた。
「ハーモニック・コンバージェンス」
マヤ歴研究者ホゼ・アグエイアスによって提唱されたムーブメント。1519年スペイン人コルテスによって滅ぼされたマヤ文明の、468年続くといわれた「九つの地獄」を終了させるため、1987年8月16日と17日に世界の聖地に14万4000人以上の人々の動員をホゼが呼びかける。結果、当日はマヤのピラミッドや米国のシャスタ山、エジプトのピラミッドなどに世界から目標人員以上のニューエイジャーが集結!この成功により世界は救済され、ホゼにより2012年12月の地球のアセンション(次元上昇)が宣言された。
「ニューエイジ運動の大衆化、通俗化」
「ハーモニックコンバージェンス」を境として多くのニューエイジ運動は、カウンター色を薄めまくった領域に徐々にシフト。資本主義社会にマーケットを拡大。体制へのカウンター(対抗)よりも調和を重視するように。
米国のテレビではシャーリー・マクレーンの著作をドラマ化した"アウト・オブ・ア・リム"が87年に放映され、お茶の間レベルに浸透。
その後現在に至るまでロハス、ヨガ、ホリスティック、癒し、セラピーから、引き寄せの法則、エンジェル、インナー・チャイルド、チャネリング、ホ・オポノポノなどなど、キーワードをあげるとキリがないほどに「ゆるふわな感じ」でニューエイジは大衆文化に溶け込む。
「ビジネス界への影響」
パタゴニア→ラディカルな環境運動を展開(ディープエコロジー)
スティーヴ・ジョブズ→曹洞宗の乙川弘文(おおがわこうぶん)氏を「心の師」と呼び禅を学ぶ。バママハンサ・ヨガナンダ著"あるヨギの自叙伝"を愛読(東洋思想へ傾倒)
井深大(ソニー創業者)→ソニー社内に超能力研究部門設立(ニューパラダイム思想)
「ワールドシフト」
1:平和で持続可能な社会をつくるために必要な変革
2:人類文明の発展のあり方を根本的に変えること
3:「世界が変わる」ことでなく「自分が変わる」こと
世界賢人会議ブタペストクラブ創設者・会長、アーヴィン・ラズロ博士により宣言
「ワールドシフトとニューエイジ」
物理学や哲学、医学、心理学などの旧来の科学主義や還元的唯物論に疑問を投げかけ、全体論を説いた「ニューサイエンス/ニューパラダイム運動」。地球が生ける有機体であるというガイヤ論をもとに、ハードコアな環境保護運動を展開した「ディープ・エコロジー運動」。そもそもニューエイジ運動自体が「現在の社会システムの不完全さを問題視し」、「新しいライフスタイルを提案」、そして「その新しいライフスタイルは皆がいつでも実現可能であるという啓蒙」する性質だったことを考えても、ワールドシフト運動はニューエイジ運動の新たなステージのひとつと言えるのではないか?
●日本のニューエイジ史
「1970年代の時代背景」
高度経済成長のかげり、公害問題の表面化、73年オイルショック、連合赤軍事件、東西冷戦の緊張感・・・・・etc終末観が漂い、経済的豊かさから精神的な「何か」へのシフト
「オカルトブーム」
石油ショックのおきた73年はオカルト当たり年
「ウィリアム・フリードキン監督の"エクソシスト"公開(日本公開は74年)」
「コリン・ウィルソン著"オカルト"新潮社より出版、日本だけで20万部の大ヒットに」
「五島勉"ノストラダムスの大予言"出版」
「小松左京"日本沈没"出版」
「ユリ・ゲラー来日」
「日本テレビ"木曜スペシャル"スタート、後にユリ・ゲラーやネッシー、オリバー君、UFOブームを続々連発」
「日本テレビ"お昼のワイドショー"番組内で"怪奇特集!!あなたの知らない世界"がスタート」
「新々宗教ブーム」
70年代以降に台頭してきた新興宗教のブームで、幸福の科学や統一教会、阿含宗、GLA、崇教真光などが挙げられる。
特徴としては信者としてのターゲット層が都市部の核家族第二世代であり、既存の日常的家族関係や人間関係への「なんか違う感」を巧みについた勧誘。組織によっては過激な出家主義もあいまって社会問題にも発展。
「ニューエイジではなく、精神世界として」
このような歴史的背景もあってか、日本のニューエイジ文化は独自の屈折性をもって、精神世界というジャンル名にて70年代後半あたりから広まっていった印象。
「精神世界の誕生と発展」
精神世界という呼び名は宗教学者の島薗進氏が「学術用語としてニューエイジという言葉を用いるのは不適切である」という理由で考案(新霊性運動という呼びかたも候補に)。
それが実際に世間で用いられたのが77年ごろ。
「平河出版創刊"ザ・メディテーション"の販促にともない、紀伊国屋書店で精神世界コーナーが作られた」「たま出版創業者である瓜谷侑広氏が広めた」と諸説あり。
70年代後半から大きめの書店ではこの精神世界がコーナーとして展開されるようになる。
コーナーには瞑想 やヨガ、チャネリング、神秘体験からニューサイエンス、心理学、密教、はたまたUFOから心霊体験まで…まさにオカルトと新々宗教を経緯した日本ならではの展開。
これら精神世界を70年代後半当時に牽引していたのは津村喬氏や武田崇元氏などといった人々で、良くも悪くも60年代新左翼運動からの影響が色こい印象。
79年には「ムー」が創刊、以降も「トワイライトゾーン」「マヤ」などオカルト雑誌が続々リリースされ、80年代に突入しても精神世界、オカルト、新々宗教の勢いは継続。
「精神世界からスピリチュアル・ブームへ」
90年代初頭のバブル崩壊により精神世界、オカルト、新々宗教の勢いは一気に衰退。そして95年オウム真理教の一連の事件で壊滅的打撃を受ける。
しかし江原啓之氏の成功により精神世界はスピリチュアルというジャンルに転生。
2005年からTVで人気を博した「 オーラの泉」に代表されるように、「不思議大好き!でも宗教は大嫌い」な一般層を大勢取り込み、見事大衆文化に浸透。
2002年から毎年開催されている「スピリチャル・コンベンション」(通称すぴこん)は、既存の宗教団体の財政を脅かすほどの一大マーケットにまで発展(現在はスピリチュアル
マーケットと呼ばれている)。
あなたの聴かない世界vol.4
"ニューエイジの彼岸へ"
日時:2015年4月24日(金)open19:00 start19:30
1500円+1drink
会場:大久保バー・ブエナ...
http://buena.tokyo/access
出演:谷崎テトラ、永田希、持田保