JOHN C LILLY / E.C.C.O. (八幡書店)1993
1950年代より米国脳科学者ジョン・C・リリーは「意識におけるリアリティの研究」をテーマに幻覚剤を用いたイルカとのコミュニケーションや、自らが開発したアイソレーションタンクによる(増幅された)内面世界探求を試みる。ある日LSDとケタミンを投与したタンク実験最中、2名の高次「存在者」にリリーは遭遇。「存在者」によると我々の世界で起こる「偶然」と呼ばれる現象はすべて「存在者」が組織する“アース・コインシデンス・コントロール・センター 地球暗号統制局(E.C.C.O.)によってもたらされたものであるという(そしてE.C.C.O.の上部組織として宇宙暗号統制局C.C.C.O.も存在)。そんなE.C.C.O.の概念をリリーやイルカの肉声など用いて音楽作品化したのが本作。仕掛人はP.B.C.の谷崎テトラ。1993年あの八幡書店から発表後、翌年には西海岸アンビエント・レーベル”Silent“から若干内容変更されてリリースされた。意識のトリップとグラウンディングの狭間を漂うようなアンビエント名盤。