2024年3月10日(日)東中野エカイエで開催される「あなたの聴かない世界JAPAN」にて川崎の巫女舞・いろの話を取り上げるのだが、その予習をかねて自分なりに彼らの歴史をまとめてみました。
巫女舞・いろについてのメモ
1981年に結成。織茂敏夫・しず子夫妻による川崎在住のシャーマニック・インプロ・デュオ。活動当初はパンクやノイズ、即興演奏をミクスチャー化したような形態だったが、1986年チェルノブイリ原発事故をきっかけに電気を使わないアコースティックな「エネジー・フリー・ミュージック」化に移行。即興演奏に古神道やアニミズム信仰を盛り込んだ独自のリチュアル世界を展開させる。
いろ / 魂ふり (あるみ缶) 1985
1985年最初期カセット音源。ドラム&ギターとヴォイスによるフリーインプロ。後期の古楽的リチュアル色はほぼ感じさせないハードな内容に彼らの出発点が確認できる。2008年にはP.S.F.レコードからCD化もされている
いろ / 核 (あるみ缶) 1986
1986年自主レーベルよりのカセット作品。音源は確認できないがグループ編成と時期的なものを考えると“魂ふり”的なものがイメージされる。またカセットに同封された織茂しず子のメッセージから政治運動へのコミットもうかがえる。本作は同時期にリリースされた“World Session”“龍気地鳴り、廃炉浄化いろライブ”とともに2017年ゲロゲリゲゲゲのVis A Vis Audio Artsよりカセット再発された。
Iro (Ra Orchestra) / マブリヘノコ (Innerside Records) 2010
1986年チェルノブイリ事故をきっかけにアコースティック編成となったのち、リチュアル色を強めていった彼らの2010年作品。おそらく辺野古の魂という意味のタイトルに、ピアノ、石笛、ベルなどと織茂しず子による詩がボイスが捧げられる内容。
Iro / Anima Animus (Secession) 2019
オーストリア映像作家ハイドルン・ホルツファイントによる記録映画のサントラとして制作されたウィーンのレーベルからのリリース作品。内容は2018年八王子の大学セミナーハウスで即興演奏されたもの。「エネジー・フリー・ミュージック」をテーマに繰り広げられるアニミズム探求世界。